オフィシャルサイト開設の理由
エアロゾル(空気)感染防止目的で使われるマスクについてディープなお話をします。
新型コロナ感染が、マスクをする習慣がない欧米その他で多数起きているのは理解できるとして、医療機関をはじめほとんどの人がマスクをし、極力3密を避け、こまめに手洗いやうがいをし、周辺を消毒したり、生真面目に感染防止に努めている日本でも院内感染、市中感染等が頻発するのは一体なぜでしょうか?
その原因を考え、ウィルス感染予防のマスク関連の情報を皆様と共有することは、今回の新型コロナウィルスとは比較にならない殺傷力をもつといわれ、WHO(世界保健機構)が「いつ来てもおかしくない」と警鐘を鳴らしている鳥インフルエンザへの予防対策にもなるという点で意味があると考え、このホームページを開設した次第です。少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
それでは本題に入ります。
マスクをし、極力3密を避け、手洗いやうがいをして、周辺を消毒するという5点セットをしっかり行えていたら、クラスターの発生とか経路不明の感染はかなり減らせたものと思います。
マスク以外の4点は単純作業につき、しっかり行うことができたはずで、とすれば問題はマスクにあると考えられます。
「マスク」が問題なのはマスクには、感染防止効果が高いもの、効果があまり期待できないもの、ほとんど効果のないものがありますが、日本では現在、それらはどれも同じ「マスク」、どれも同じ効果があるかの装いで市場に氾濫しているからです。
年初に中国からEUや米国に主に医療機関向けとして輸出された大量のマスクが返品されたというニュースが流れましたが、日本ではそのようなことは起きずそのようなマスクが医療機関でさえ大量に使われています。その後、装着者の感染防止の観点からは、EUや米国で受け入れられないマスクより劣るマスクが国産され、国内で大量に消費されています。これは、スーパーコンピューターによる解析から、院内感染、市中感染等の大きな原因の一つと考えて間違いありません。
EUや米国と違って日本で空気感染防止にほとんど効果のないマスクが氾濫している理由は、日本ではマスクは医療機関でも雑品扱いされていて、空気感染防止ツールとしての認識度が極めて低いためです。このことは、EUや米国にはサージカルマスク(ウィルス等の病原性微粒物質の体内侵入防止ツール)の品質標準が公的に定められているのに日本では未だにないことに起因し、中国の怪しげなマスク生産者や雑貨商達は、「日本はEUや米国には出せないマスクをノーチェックで買ってくれる能天気な国」として見ています。
本来高い効果をもつマスクでも、正しい装着をしなければ効果は大きく低下してしまいます。
感染防止効果が高いマスク選びのポイント
私たちが、感染防止効果が高い(高性能)マスクを選ぶ際には、まず、どのようなものが高性能なのかについて知っておく必要があります。そのポイントをいくつか挙げます。
1.濾過性能が高いこと。
主な濾過性能テストにはBFE(細菌濾過効率)とPFE(ウィルスサイズの微粒子濾過効率)がありますが、確認する対象はPFEです。なぜなら、新型コロナウィルスは細菌でなくウィルスだからです。数値は99%以上であれば頼れる感じをもてるでしょう。
2.呼吸が苦しすぎないこと。
通常、濾過率を上げるとそれに比例して吸気抵抗が上がり、それは呼吸が苦しくなることと同義です。理想は呼気抵抗ゼロで濾過性能が高いことですが、現在の技術でそれは無理です。
吸気抵抗の度合いの指標は⊿P(デルタピー)というもので、米国サージカルマスク標準のレベルⅡ(病院の手術室の外用としての上級クラス)ではそれを6未満と定めています。
上記はサージカルマスクのテスト上の指標で、高性能マスクには次の要素も欠かせません。
1.マスクと装着者の鼻梁部周辺に隙間が生じない造りになっていること。
隙間ができるとそこからウィルスが大量に流入して感染リスクが増大します。その対策としては、鼻梁周りをしっかりグリップするノーズクリップ(それなりの強度を持つワイヤー/安全のため樹脂で被覆されたもの)が必要です。ワイヤーであっても細くてグリップ力が弱いもの、樹脂だけのもの(樹脂には弾性があるため、一度鼻梁周りに押し当てても弾性によって元の形〈直線〉近く戻って、鼻梁周りをグリップできない)はダメであり、ましてや、一般の布マスクのようにノーズクリップそのものがないものは論外です。
2.長時間使用時に痒みとか酷い場合は顔周りにただれ等の皮膚トラブルを起こしにくいものであること。
毎日長時間のマスク着用、それもいつまで続くか分からないなか、快適使用環境を提供するマスクが望まれます。
皮膚トラブルを起こしやすいマスクは、長時間の着用中に着用者の湿気を帯びた呼気が唇側のマスク生地に徐々に浸透して、その部分の生地がケバ立ったり、顔面との摩擦係数が高い安価な生地を使っているものです。
たかがマスク、されどマスク
簡単そうに思えて、実際は簡単でないのがサージカルマスクです。
日本では現在、マスクの性能はフィルター濾過率の高さがすべて(99%以上あればOK)であるかの宣伝が大部分ですが、
⑴エア漏れが少ないか?
⑵エア漏れのないようにきっちり装着すると、途端に呼吸が苦しくならないか?
⑶きっちり装着すると痒くなったり、ひどい場合は皮膚にただれが生じないか? ……等
実用上、大事な要素について示されている例はほとんどなく、これは生産者も販売者も本当に役立つマスクはどのようなものなのかについて考えていないか、考えても面倒そうなので、そのようなことには手をつけず、ウレタンマスクのような安直な道を走る、このようなことのようです。
他人に感染させるリスクと自分が感染するリスクの双方を最小化するマスク開発は、病原性微粒物質の動態とマスクの科学に精通していることが不可欠であり、日本でそれに適うメーカーは限られているのが現状です。その原因は、日本には未だにマスクの標準規格がなく、医療機関でさえマスクは一貫して雑品扱いされており、マスクの採用条件は品質より安価なことが優先されるのが一般的だからです。
一方、欧米には古くからマスクの標準規格があり、病原性微粒物質の体内侵入防止の主要ツールの一つとしてリスペクトされ医療用具の範疇に入れられています。当社は20年ほど前に、世界で最も厳しい米国のサージカルマスク標準に準拠するマスクを開発し「マスク・メジャーリーガー」のブランドで発売に至りました。「メジャーリーガー」は「メジャーリーグ(米国市場)でもプレー(販売)できる選手(商品モデル)」の意味合いでネーミングしており、以来、米国に止まらずEUにも大量輸出し、日本と同様、医療機関を中心に多数の根強いファンの支持を得ています。
※2020年10月にサイトのトップページに掲載したものを移設しました。